キミの世界で一番嫌いな人。
「じゃ、じゃあ俺たちが今日から本当に友達になれば問題ないよアッキー」
「…誰がアッキーだよ。俺は自分より弱いヤツには興味ないんだよね」
私のクリームパンにかぶりついて、唇の端についたクリームをペロッと舐めるクラスメイト。
そうなのだ。
彼がここまでして私に問い詰めている理由は、ひとつ。
あのトイレの日以来。
これは使えるな…と思った、あの必勝法。
それを毎日のように使っては、なんとかスクールライフを送っていた私。
『俺は廣瀬 秋斗の友達だよ』
なんて言いふらしては、男たちをビビらせていた。
そのおかげで何とか生活できていたスクールライフは、どうにも今日限りになりそうだ。
「ほら、来月体育祭あるし…仲良くしようよアッキ───うわっ!!」
「…2度とその名前で呼ぶなよ」
ガッ!と、胸ぐらが掴まれる。
私だけじゃない周りを怯えさせてしまうくらいの低い声と、いつも笑っている瞳は開眼。
そんな殺気のようなものが広がった教室。