キミの世界で一番嫌いな人。




でも、ちがった。



「今回は俺、トモダチのためにあんたを殴るよ」



あんたのせいで今まで俺の大切なトモダチが何回泣いたと思ってんだよ。

何回、あいつに我慢させたと思ってんだよ。

男として生きたのだって、今も髪を伸ばしてないのだって。


あいつはぜんぶ、あんたのためなんだよ。



「さすがに俺はこのまま大人しく好きな子譲りたくもないからさっ!!」


「───う”…っ!」



治ったばかり?
そんなの知るかよ。

今はそこに俺の親友の熱血馬鹿な血も入ってんだろ。

それなら、そこまでヤワじゃないはずだ。



「知ってる?チビが未だに髪伸ばさない理由」



ドガッ!!ガゴッ───!!


やっぱりこの人は強い、ちゃんと耐性がついてる。

殴られることにも殴ることにも。



「もう男としても女としても、小鳥遊 青葉として生きることにすら罪を感じてるからなんだよ…!!」



赦されないって思ってんだよ。

赦されたくもないって、思ってんだよ。



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