空仰げば、遠くにキミ。【完】
「武藤さんが話しかけてくるなんて珍しいね。なに?」
当の古泉くんは特段驚いた様子もなく、平然としている。
「淳太。ちょっとココ出れば?騒がしいったらありゃしない」
彼の隣でポッキーを摘んでいた葛原くんが、気怠そうな表情でシッシッと手で私たちを追いやった。
たぶん、彼なりの優しさなんだろう。
わかりにくいけど。
教室を出て、階段の踊り場のところで私はあのさ、と口を開いた。