AIが決めた恋

気まずい時間

次の日、僕は、真島くんに対して抱いた複雑な気持ちを払拭できないまま、学校へ登校した。
こんな気持ち、早く消し去らなくてはならない。折角、テストが終わり、もうすぐ夏休みが始まるというのだから。

「佐倉!いい所に来た!」

教室に入ると、真っ先に担任の先生から声をかけられた。

「男子生徒の誰かに体育館倉庫の整理をして欲しいのだが、佐倉、今からやってくれないか?」

教室には既に数人の男子がいる。それなのに、どうして僕なのか。
答えは簡単だ。単純に他の男子からは断られたのだろう。そして懲りずに僕に声をかけたのは、僕がこのような仕事を断らない人間だと知っているからだと思う。

「今からですか?」
「ああ。1限が始まるまで、あと30分くらいある。それだけあれば十分だろう。HRは出なくていいから。…どうだ?やってくれるか?」
「はい。」
「さすが佐倉だ!ありがとう!じゃあ、鍵を開けるから、一緒に体育館へ来てくれ。」
「はい。」

僕はロボットのように淡々と返事をする。

「いや〜、佐倉は真面目で助かるよ。」

先生が歩きながらそう言った。

「そんなことないですよ。」

やはり僕は皆にとって『都合の良い子』。真面目なわけではない。
今だって、手伝いたいと思って手伝うことに決めたわけではないし、手伝いたくないと思っているわけでもない。ただ、先生に手伝って欲しいと言われたから、手伝うことにしただけだ。
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