AIが決めた恋

お兄ちゃんとの思い出

そう、あれは、小学2年生の夏休みの時のこと。習い事で行っていたスイミングスクールのイベントとして、潮干狩りをしに旅行へ行くことになった。
とても楽しみにしていた私を見て、お兄ちゃんは1枚のスカートを買ってくれた。膝丈の真っ白なスカート。特に柄や色はついていなかったが、そこがとても気に入った。
旅行へ行くのが、更に楽しみになった。
でも…

「お前、男だろ。」

旅行先で言われた男子の心無い言葉のせいで、私の旅行は最悪なものとなった。
当時、髪をショートにしていた私は、一部の男子から、男みたいだと揶揄(からか)われてしまった。
私は何も言い返すことができず、黙っていた。

「黙ってるってことは、本当に男なのか〜?」
「男ならスカート脱げよ!」

普段、スカートなんて滅多に穿()かない。しかし、興味が無いわけではなかった。街中を歩いていて、たまにショーウィンドウの向こう側に見える可愛いスカートを、いつか穿いてみたいと夢に見ていた。
私には似合わないと思って躊躇(ためら)っていたスカート。お兄ちゃんが買ってくれた時、嬉しくて、でも少し恥ずかしくて、緊張しながら、似合うかな?なんて鏡の前で確認しながら穿いたスカート。
そのスカートを脱げと言われたことが、言葉にできないくらいにショックだった。
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