AIが決めた恋
「真島くん。」

突然、彼が俺の目を真剣な顔でじっと見た。
思わずその真っ直ぐな瞳に引き込まれそうになる。きっと、こういう所が女子受けするのだろう。

「勿体無い!」

水原が大きな声で叫んだ。そして、俺の両肩を掴む。

「好きになったら、自分から積極的に行かなきゃ駄目!待ってても状況は変わらないよ。イケメンなのに勿体無い!真島くんからグイグイ来られたら、誰だって間違いなく惚れちゃうのに!」

真剣な表情と、力強い声のせいか、とても説得力があるように聞こえた。『イケメンなのに…』以降を除いて。

「これこそ宝の持ち腐れ!!」
「宝の持ち腐れ…?」
「優れた才能を持っていながら、それを活かさずにいることの例え!」
「いや、意味は知っているのだが…。」

自分に何の宝があるのか分からない。水原は『イケメン』だと言っているけれど、特別自分でそう思ったことは、一度も無い。
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