AIが決めた恋
「そうだったんですか!それは失礼なことをしてしまいました!すみません!藍を助けてくださって、本当にありがとうございます。」
「いえ、ただ道案内をしただけですから。」
「そんなことないですよ。あ、因みに僕は、藍の従兄の湖川裕です。宜しくお願いします。」
「こちらこそ。」

お兄ちゃんが佐倉くんにお礼を言う姿を見て、私も佐倉くんにお礼を言い忘れていたことに気がついた。

「佐倉くん、ありがとうございます。」
「そんな大したことはしてないよ。」
「道案内だけではなくて、その…、『憧れてるのかもしれない』という言葉が…、その、う、嬉しかったです…凄く。」
「そ、そんな…。」

少なくとも、私はあの言葉に救われた。
頑固のままでも受け入れてくれる人はいると、知ることができた。

「いや〜、佐倉蛍貴くんだっけ?君とは仲良くなれそうだよ。ここで出会ったのも何かの縁!是非、宜しく。」

お兄ちゃんが佐倉くんに右手を差し出し、その手を佐倉くんが右手で握った。
そして、お兄ちゃんが佐倉くんの耳元で何かを呟いた。

「じゃあ、藍、行こうか。」

お兄ちゃんがそう言い、佐倉くんとはそこで別れた。
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