ノイシュタット・エスケープ
 


 あたしはミュージシャンみたいにマイクを引っ掴んでハウリングをおこす。


「言葉は救えると思いますか」

「…」

「言葉は、」





「救えると思います」













「僕は僕を諦めかけていましたが
 あなたのおかげで生きる勇気が湧きました」





 会場の隅にいた、灰色の瞳をした黒髪の青年の言葉に、あたしはあたしの原点に救われて、ははって笑ったら、見えないきみを見つけて、涙がこぼれおちた。




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