懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~
その日はどこか温かな気持ちで帰宅の途に就いた。

笹原の提案がいつか実現するといいなぁ、そう思いながらお風呂に入り、今は髪を乾かしてソファーに座りひと息ついたところだ。

ふと目の前の飾り棚においてある卓上カレンダーが目に入った。

結斗さんが帰ってくるまであと十日あまり。指折り数えている私がそこにいる。

年末年始、ずっと一緒に過ごしたその反動はどうやらとても大きいみたいだ。

「早く会いたいな」

ソファーに座りながら、ポツリとそうつぶやく。

ーープルルルル

と、ほぼ同時に部屋に携帯の着信音が鳴り響き、机の上に置いてあった携帯を手に取った。

ディスプレイに踊っていた結斗さんの名前に自然と頰か緩んでいく。

「もしもし?」

胸の高鳴りを感じながら、その電話に出た。
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