妖の木漏れ日カフェ
 数十分後、テーブルの上にたくさんの出来立てほやほやの料理が並ぶ。

 食材の大きさはバラバラで、カイさんの料理のように完璧っというわけにはいかないけれど、食欲をそそる匂いが部屋じゅうに充満してお腹が鳴る。

「初めてにしては上出来だな」

「まあ、ヤクモ1人が作ったわけじゃないからねえ」

「それは分かってるよ」

「でも、本当に美味しそうにできましたね」

「そうね。さあ、早く食べましょう。お腹空いちゃったわ」

 いただきます、という五重唱が部屋の中に響き渡る。

 早速目の前にあるオムライスを口の中に入れると、トマトの酸味と卵の甘さがちょうどよく合っていてすごく美味しい。それに、ライスの方にはバジルを使っていて、その香りが全体に馴染んでいる。

「美味しいっ」

「うん、確かにうまい。このとうもろこしもうまいぞ。ちなみに俺が煮たんだぜ」

「煮ただけな」

「カイさん、それでもいいじゃないですかあ」

「まあ、ヤクモにしちゃ上出来だ」

 ヤクモさんはぷうっと頬をふくらましつつ、顔はにやけていてとても誇らしそう。とうもろこしを食べると、今まで食べた中で一番というくらい甘くて、まるでおやつのようだった。

 


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