夜空に見るは灰色の瞳
大路くんとくだらない言い合いをしている最中、また視線を感じてそちらを見ると、三永ちゃんと目が合った。


「……えっと、ごめんね、煩くて。主に大路くんが」

「お前も、だろうが」

「いえいえ、全然気になりませんよー」


そう言ってニッコリ笑う三永ちゃんの笑顔には、やはり何か含むものを感じてしまう。


「叶井さんの新しい一面が見られて、わたしはとても楽しいです。やっぱり気心の知れた相手が一緒だと、普段とは違いますね」

「……そんなに違うかな」

「まあ、仕事中の叶井は猫被りだからな」

「まだ言うか。猫被りなんじゃなく、仕事モードなだけ。言い方気を付けてよ」


隣を睨みながら言うと、三永ちゃんがふふっと笑う。


「ほんとに仲良しですね。ね?叶井さん」


三永ちゃんが、笑顔で小首を傾げる。
それはとても可愛らしい仕草だが、私にはその笑顔が少し怖い。
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