夜空に見るは灰色の瞳
味噌汁を零さないよう気を付けながら席に戻り、早速割り箸を割る。

寝不足の体は朝食を受け付けなかったので、朝から何も食べていなかったのだが、流石にこの時間になると寝不足だろうといい加減お腹は空いてくる。


「うん、やっぱりここの肉じゃがは美味しい!味染み染みで」

「コロッケだって負けてませんよ!特に今日は、一番人気のクリームコロッケですし。でも何より、キャベツにかかったこの謎のドレッシングが凄く美味しいです」

「ああ、それね。何のドレッシングなんだろうね、凄く美味しいけど。シーザー……いや、フレンチドレッシング……かな」

「だいぶ前におばちゃんに訊いてみたことがあるんですけど、“昔からそのドレッシングは、何だかわからないけど美味しいってのが売りなんだよ”って言われました」

「なるほど……」


とても気になるところだが、秘密だと言うのなら仕方がない。

それからしばらくはその謎のドレッシングの正体について議論していたが、唐突に三永ちゃんは「ところでさっきの話ですけど」と話題を戻した。
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