初恋のキミに、さよならを
〜引っ越し〜

ギラギラと太陽が照らす暑い日。

周りは、中学最後の夏休みを満喫する中、私は忙しなく引っ越しの準備に追われている。

早くしなきゃ‥‥‥!

あと少しで出発の時間がきてしまう!

焦る心と裏腹に、時計の針は1秒だって待ってくれない。

「桜、準備できたか?」

玄関先からお父さんが呼ぶ声。

「あと少しで終わるから、もうちょっと待って!」

バッグに荷物を詰めながら、そう返事をかえした。

「まったく、桜は。前もってしておかないからいつもこうなるのよ」とお母さんに注意されてしまった。
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