初恋のキミに、さよならを

面倒なことは何でも後回しにしてしまう私。

夏休みの宿題も早く済ませたことがない。

早くした方がいいって頭の中では分かっているけれど、なかなか行動に移すことができないまま、いつもギリギリになって慌ててしまう。

「あとは、これをバッグに入れてと‥‥‥。ふぅ〜、やっと終わった!」

準備が整うと、ぐるりと辺りを見渡した。

約15年間、大事に使っていたお部屋は今では見違えるほどすっからかんになってしまった。

ベッドや勉強机などは、もう引っ越しのトラックの中に積まれている。

壁に貼っていたたくさんの思い出の写真も今では1枚もない。

物寂しくなってしまったけれど、日当たりのいい場所でベランダもついていてとても気に入っていた。

でも、今日でこの家とはおさらばだ。

「桜、まだー?」

お母さんが呼んでいる。

「今、行くよ!」

私は、重たい荷物を手に持つと玄関へと向かった。
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