君の笑顔
「着いたよ」

上手に駐車してサイドブレーキを引いた手をぼ〜っと見ていた。

「あの…誕生日おめでとう。それと、これ…」

松田から手渡されたものは、ピンクの紙袋。

「プレゼント!」

私の目も見ず、叫ぶように言った。

「ありがとう!松田!」


車を降りて、部屋へと向かった。

一度松田の車を振り返って見た。

松田はじっと運転席から私の方を見てたから、目が合った。


私と目が合って、手振ってくれた。

私も振り返した。
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