キミと、光の彼方へ。
「碧海くん、一体どうしました?」

「練習中にE組の小谷くんがケガをしてしまって今まで保健室で付き添っていました。本当にすみません」

「あら、そうだったの。それなら仕方ないわね。普通に出席にしておくから、早く席に座って」

「はいっ」


先生に一礼してささっと教卓の前を通り、私の方にやってくる。

私は咄嗟に顔を伏せた。


「えっとぉ...では、桑嶋さんは出席で......次が佐藤君」


先生が点呼している最中、彼は私の方を何度もチラチラと見ているように感じた。

こんなにも人の視線を感じながらHRを過ごすのは始めてだ。

どうか、波風立てず過ごせますように。

私は隣の存在に気をとられないように祈ってただひたすら俯いていた。


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