キミと、光の彼方へ。
「そういえば、これ。珠汐奈に渡そうと思って」

「えっ?」


白くて細い母の手から受け取ったのは、真珠が中央に着いてそのサイドに貝殻が1枚ずつ装飾されているネックレスだった。


「これってもしかして...」

「潮男さんから初めてもらったプレゼントよ。漁師仲間と作った力作だっていってたわ」

「でも、これ、大事なものなんじゃ...」


母は首を真横に振った。


「大事なのは、変わらない。だけど、これは珠汐奈にもらってほしいの。だって潮男さん、珠汐奈の"み"は珠にしたいって聞かなかったんだから。真珠のように、白くて儚く見えたとしても、美しく輝いてほしいってそう願って付けたのよ。それに、珠汐奈にもいつか真珠のネックレスを送りたいって言ってたから」

「そうだったんだ...」


私は母から受け取った父の想いを大事に握り締めた。

これは父の半分だ。

私は父の想いを忘れずに、これからも一緒に生きていく。

父の愛の温度を感じながら生きていく。


「お母さん、ありがとう」

「うん...」


そして、海に眠るお父さん。

ありがとう...。

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