キミと、光の彼方へ。
長い坂道を、額に吹き出る汗を拭いながら上りきり、校門をくぐる。

6月に完成したばかりの水泳部の部室が見えた。

昨年の海里の活躍のお陰で新入部員が20人まで増えたから、急遽部室を作ることになったのだ。

あそこで朝から汗水流して練習しているのだろう。

そこには人魚姫もいて陸上の彼の声をいとおしそうに聴いているはずだ。

潮風がぶわっと吹いて思わず目を瞑った。

今年は台風も多い。

また来るのだろうか。

家の雨漏りが心配だな...。

そんなことを思いながら、真横に視線を移す。

あのバーがセットしてある。


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