キミと、光の彼方へ。
「はい、じゃあこれでHRを終わりにします。皆さん、高校最後の夏休みを有意義に過ごして下さいね。では、夏期講習ある人は明日お会いしましょう」


―――バタンっ。


先生が教室の戸を閉めるやいなや、多くの生徒がヤッホーと叫びながら帰ったり、夏休みの予定を話し出した。

今日はバイトはないけれど、明日から夏期講習も始まるし、予習をしなければ間に合わないから、さっさと帰ろうとバッグに手をかけると、後ろから呼び止められた。


「勝手に帰んなよ、桑嶋」

「は?」

「あと、海里も!」


部活に行こうとしていた海里も呼ばれた。

一体何をするつもりなんだろう。


「練習があるから、早くしてくれ」

「まあまあ、そんな急ぎなさんな」

「急がなければならない理由があるんだ。1人でぴょんぴょん跳んでいる碧海とは違う」

「んだよ、その言い方。気にいらねえなぁ。最後の夏休みだからって色々計画したのに、俺の思い踏みにじるようなこと言うなよ~」


男子2人が言いあいをしていると、暴風が吹いた。


「ちょっと、あんたら!アタシを置いて珠汐奈と接触するな!」

「わりぃわりぃ。ちゃんと呼ぶつもりだったんだが、忘れてた」

「はあ?!このアタシを忘れるってどーゆーこと?!」


砂良も参戦し、騒がしくなってきたけれど、言えることはただ1つ。

夏休み、何かが起こる。

それが具体的に何なのか、それは分からないけれど、彼が呼んだのだから、嵐の前触れであることに変わりはない。


「ま、時間もないことだし、争ってないで端的に言わせてもらうと......」

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