キミと、光の彼方へ。
「珠汐奈、オレがこんなこと言うのもおかしいが、珠汐奈の大切なもの、ちゃんと守った方がいい。気付いたら何もなくなってたなんて、そんな風にはなってほしくない。それはオレ自身への言葉でもあるが...」


海里の言いたいことはなんとなく理解出来た。

17年の付き合いだもん、ニュアンスで伝わってくる。


「海里...本当にありがとう。海里が幼なじみで良かった」

「そっか」

「うん。そうだよ」


線香花火で灯った僅かな炎のお陰で、久しぶりに暖かい言葉が出た。

私はその言葉を自分の胸に強く強く刻み込んだ。

泡のように消えてなくならないように...。

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