キミと、光の彼方へ。
彼と出逢って5年後の夏。

私は父と母の思い出のネックレスを身に付けて、マーメイドロードの前に立っていた。

ここで再会の約束をしている。

それにしても変わらない。

いや、でも、5年前よりも...青い。

空は高く遠くにあり、海も大きく、太陽の光を受けてキラキラと輝いている。

潮風はやはり私の肌にはちょっと合わなくて、すり抜ける時にジリジリするけれど、やはりこの香りは懐かしい。

ん?

私の鼻が何かを感じた。

何か......それはもう、分かってるも同然。

それはきっと......彼の香り。


「珠汐奈!」


私はその声に身を翻した。

そこにいたのは......


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