キミと、光の彼方へ。
「はい、カバン」

「ありがとう」


海里からカバンを受け取り、2歩後ろを着いていく。

海里の目指す先にはクラスが書かれた掲示板がある。

今日から高校2年生で、また新しいクラスになる。

登校する時はいつも一緒なんだから、離れようが離れまいが、幼なじみである私の特権は変わらない。

クラスなんてどうでもいい。

と思いつつも、やはり私の目は正直で、自分の名前の後に武波海里の文字を探してしまう。


「あっ...あった」

「また同じだな」

「今年もよろしくね」

「言われる前からよろしくしてる」


海里に頭をポンッとされてちょっと熱くなったけど、そんなの気づいていないだろう。

相変わらずのマイペースぶりでずんずんと先を歩いていく。


「待ってよ海里!」


階段を数段上って行ってしまった海里を追いかけようと走り出した、その時だった。


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