キミと、光の彼方へ。
「ごめんっ!ちょっと遅くなった」

「大丈夫だ。それより、お疲れ。はい、これ。俺からの差し入れ」

「あっ...ありがと」


今日もまたもらってしまった。

今回は普通のお茶だったけど、麦茶を選んでくるのは絶妙にわかってらっしゃると思った。

お茶系で私が1番好きなのは、何よりも麦茶だから。


「そう言えば、この前もありがと。私、あれすごく好きなんだよね」

「いっつも飲んでるの見えてた。また乳酸菌飲料かよ~って校庭から突っ込んでやりたくなったわ」

「ふふっ。そうだったんだ」


操り人形の糸が切れたみたいに、色んなものから解き放たれ、私はやっと笑うことを思い出してきた。


「桑島さんが良ければ、砂浜まで行ってもいいか?」

「うん、いいよ。今年はまだ砂浜の上歩いてないもん」

「俺も。いっつもあのかったーい土の上だから、足が痛くて。よしっ!早くいこーぜ」

「うん」


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