二人の距離~やさしい愛にふれて~
その翌週末、恭吾は理花の所へ行っていた。
いつものように駅には陽斗が車で迎えに来ていた。

「いつもありがとうございます。」

「いやいや、こちらこそ。先週はうちの両親もお邪魔させてもらったし。恭吾のお母さんとか、まこちゃん?とかいい人で安心したって言いよったよ。」

「うちの親たちも同じようなこと言ってました。もっとゆっくりしてもらいたかったけど、理花のこともあったから今度泊りで会いに来るって張り切ってましたよ。」

「楽しみだ。俺もあってみたかったし、賑やかそうだ。一緒にいた友達も来るん?」

「あぁ、ヨシ、あいつもバイトがなかったら来ると思いますよ。親にってかまこちゃんについて来ればうまいもんが食べられるって喜んできますからね。」

笑いながら恭吾は言う。

「仲いいんやね。理花のこと助けてくれた人みたいやし俺もお礼を言いたいけん。」

「いやいや、もうお礼は十分っすよ。あいつももつ鍋食いたいって言ってました。本当、兄弟みたいにほぼ一緒に育ったみたいなやつなんで性格は違っても一緒にいてしっくりくる奴なんですよ。」

「へぇ。俺は理花と二人兄妹やけん男兄弟がうらやましいよ。」

そんな話をしているとすぐに理花の病院に到着した。

「こんにちは。芹沢君、ちょっといいかな?お兄さんも。」

病棟に上がるなり草野が待ち構えており面会室に連れて行かれる。

「この前少し話をしてたんだけど、理花さんの外泊、どうかな?予定が大丈夫そうなら今日とか?」

「えっ?いいんですか?」
< 150 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop