二人の距離~やさしい愛にふれて~
「大吾に一生敵わないのは覚悟してるよ。だから大吾のことは忘れずに二人で幸せになろう。それが大吾の幸せらしいから。」

そう言って真は茉莉を力いっぱい抱きしめた。
そこへ真の父親が近づいてくる。

「茉莉さん、うちにお嫁に来てくれてありがとう。あんな幸せそうな大吾の顔が見られたのも茉莉さんのおかげだ。そして真のことまで幸せにしてくれてありがとう。」

真の母親も後ろにいて、目元をハンカチで拭きながら茉莉を見る。

「今までごめんなさいね。受け入れるのに遅くなって申し訳なかったわ。私ってすぐいろいろ考えてしまって結論を出すのに時間がかかってしまうの。これからも私の娘なのは変わらないから、いつでも遊びに来てね。孫だってもう一人くらい!」

冗談混じりに真の母親がいうと、一斉に周りが笑い出した。

「母さん、恭吾がいるしあいつがひ孫を見せてくれるよ。」

そう言って真は恭吾のほうを向き、手招きをする。
恭吾はそれに気が付き、理花の手を掴んで一緒にこちらへ来る。

「なんだよ。俺は父さんじゃないんだからもう勘弁してよ。」

「ハハハッ、そうだな。今度は理花さんとタキシード着ないとな。母さんがひ孫見たいって言ってるぞ。」

「えっ?真紀ちゃん…。それは早いって!」

そう恭吾は言いながら顔を赤らめて理花の顔を見た。
理花も顔を赤らめておりうつむいている。

「ヘヘッ、だってよ、理花。俺は絶対に死なない。意地でも生きてみせるから理花と一緒にもういいって言うまで生きて、一緒に死ぬ。」

茉莉は少し驚いた顔をして笑った。

「恭吾その意味不明な宣言、大吾…お父さんみたい。フフッ、そんなところまで似てるなんて。」

そういって茉莉はモニターに映し出された大吾の笑顔を眺めながら涙を流して笑った。
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