二人の距離~やさしい愛にふれて~
唇が触れると理花の身体は硬く緊張していた。拭きかけのタオルで理花の身体を包み、親指で理花の顎を引き下げると自分の舌を口内へ侵入させる。
ゆっくりと恭吾は理花の口内を舐め、舌を絡ませると理花の呼吸が少しづつ速くなる。そして、緊張が解けたのか理花の腕が恭吾の背中に回り、二人の身体が密着した。

恭吾の呼吸も速くなり、自分が興奮しているのを感じていた。
理性を保とうと必死だった恭吾も理花の漏れ出る小さな声に抗えず理花を抱きかかえるとベッドへと連れて行った。

「エヘヘッ、恭ちゃんノリノリだね。」

ベッドに押し倒された理花は恭吾を見上げて嬉しそうに笑っていた。
それはいつもの薄気味悪い笑顔ではなく、別人のようで可愛いと恭吾は感じていた。
理花の腕が恭吾の首に回されると、ゆっくりと恭吾は顔を近づけて唇を重ねる。そのまま舌を理花の口内へと侵入させる。

理花はいつもは男性を相手にするときはかなり酔っており、ひどい扱いを受け痛みを感じることに安心感を覚えていた。
だから普段と違って優しく触れる恭吾に戸惑いを隠せなかった。自然と漏れ出る声や、身体に走るゾクゾクという感覚、そして何よりも自分が興奮していることも。
この先自分がどうなってしまうのか怖くて涙が溢れた。それでも理花は恭吾から離れたくなくて必死でしがみついていた。
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