二人の距離~やさしい愛にふれて~
「形式的なものって言ってたし、恭吾は悪いことしてないんだから堂々としてたらいいのよ。」

そう言うと茉莉は恭吾の背中をポンポンと叩いた。

由彰はあまり二日酔いはしたことがなく、その日もケロッとしており茉莉の作ったご飯を美味しそうに食べていた。

「由彰くんはこれから大学?着替えに帰る?真さんそろそろ戻ってくるから大学まで送るって言ってたけど?」

「えっ?ラッキー!恭吾の服着ていく。まこちゃんにビールのお礼も言いたいし。あれはマジでうまかったよ。」

「フフッ、恭吾と同じこと言ってる。あれは真さんのお気に入りで特別な時しか飲まないのよ。本当は真さんも一緒に飲みたかったんじゃないかな。」

「それは母さんとだろ。」

恭吾はちらっと横目で茉莉を見ながらボソッと言った。

「こいつ、茉莉ちゃんとまこちゃんが仲いいからやきもち焼いてるんだ。」

由彰は恭吾の頭をぐしゃぐしゃっと撫でながら笑った。
茉莉にとっては恭吾も由彰も可愛い息子で、そんな二人が成人しても仲良くしている姿をみるのは何よりも幸せだった。

「フフッ、二人ともパパそっくりだから若いころのパパたちを見てるみたい。」

「それ耳タコだから。」

目を潤ませて自分たちを見ている茉莉を見ると恭吾は恥ずかしいような、たまらない何かが胸にこみあげてきていつも冷たく返してしまう。
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