二人の距離~やさしい愛にふれて~
「そうですね、もう少し先のことになるとは思いますがそういう時期もいずれは来ると思います。ですが結果的に彼に会おうが会わないであろうか同じだと思います。そしてそれを理花さん自身が乗り越えるためにもしかすると彼は必要な存在なのではないかと考えています。」

少し納得がいかないという表情をしていた恵子だが娘が少しでも普通の生活に戻れるならと藁にも縋りたい気持ちもあった。

「・・・・・・・・彼を本当に信用していいのでしょうか?」

「まず、協力を依頼するのであれば僕と事前に面談してもらいます。個人情報保護も含めて誓約書も書いていただくつもりです。」

「そうですか…わかりました。私たちも一度電話ででも彼と話をしてみようと思います。」

「わかりました。僕はいつでも面談の調整が出来るようにしておきます。」

それからは現在の理花の状態や、恵子の不安に思っている事など話をした。

恵子は草野に案内され観察室に行くと理花が寝ているベッドの横に座った。
草野はぐっすり眠っている理花の顔を覗き込むと、「また来ます。」と部屋を出て行った。

恵子は理花の手をそっと握る。明らかにやせ細ってしまっていることに胸が締め付けられた。
泣いてはダメだ、本当に苦しんでるのは理花なのだからと自分に言い聞かせ歯を食いしばる。

恵子は理花は勉強で忙しいのだと思い込んでいたのだ。理花も年頃だし好きな子かもしくは彼氏でも出来ててそちらに夢中で帰省しないのだろうと思っていた。
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