二人の距離~やさしい愛にふれて~
もっと早く自分から会いに行ったり、しつこく連絡すればよかった…。それ以前に、九州にも良い大学はたくさんあるのだから都会で一人暮らしなどさせなければよかった…。
恵子は後悔ばかりで自分を責めていた。

理花は地元では偏差値の高めな高校に通い、成績も優秀でおっとりとしており、真面目で、よく笑う子だった。
大学は法学部に進学し、将来は弁護士を目指していた。
ぽっちゃりとまではいかないが全体的に丸みを帯びた体系で食も細い方ではなく、甘いものが大好きだった。

そんな真面目な理花を騙してお酒を飲ませ、集団でレイプしたなんて…
被害者は理花以外にもたくさんいるらしいと警察から聞いていた。
主犯の男は法学部の先輩らしく、代議士の秘書の息子でかなり傲慢な性格らしい。もう一人、医学部で大学病院の外科部長である医師の息子でやはり傲慢な性格らしい。
大学内でも有名で多数の友達を引き連れてやりたい放題している。

そして最近のお気に入りの遊びが女の子に睡眠薬を混入させたお酒を飲ませ、集団で一晩中レイプすることだったらしい。
中にはその現場のビデオを撮られ脅され、何度も多数の男達の相手をさせられた子もいるらしかった。不幸中の幸いで彼らの家から押収された画像の中に理花は写っていなかった。
ビデオが証拠となり主犯の二人とは別に18人の大学生が捕まった。

理花はその事件を境にアルコールと性の依存症になったと考えられると草野は言っていた。
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