二人の距離~やさしい愛にふれて~
「わかりました…。あと、電話は?俺そんなに来れなくて…だからこの前みたいに顔見ながら話ができたらって思ったんですけど。」

「そうだね、それはご家族にお願いしないといけないけど落ち着いている時に話す時間を持つことはいいことかもしれないね。明日の理花さんの反応が楽しみです。ただ、あまり期待しすぎないでね。もしかすると明日はうまくいかないかもしれない。でも君のせいじゃないし、あきらめないで協力してほしい。」

「はい。」

恭吾は草野との面談でいろんな情報が与えられ、頭がパンク状態になった。
やはり理花と関わるのは自分には無理なのではないかと不安が増した。

恭吾との面談が終わると草野は理花の両親の所へいき、少し話をしていた。
恭吾はその姿を遠くから眺める。
陽斗は暗い顔をしている恭吾に気づき、そばに来て肩にポンっと手を置いた。

「そんなに構えるなよ。俺たちにとって恭吾だけが頼りなところがあるんだ。俺たちじゃどうにもできなくて…。妹のことよろしく頼みます。」

陽斗は寂しく笑うと恭吾に頭を下げた。

「辞めてください。俺、何にもできないかもしれないし…」
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