続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
それから、加奈の予定通りにアトラクションに乗りこなしていった。
アトラクション自体は楽しかった。でも、どこか寂しかった。
隣に涼介がいない。
それだけでぽっかりと穴が開いてしまったみたいだった。
「ナツー! 涼介ー!」
涼介と奈津美が待っているベンチが見えてくると、旬が二人を呼ぶ。
加奈は、並んで座っている涼介を見て、さっき押し込めたはずの不安がぶり返してきてしまった。
涼介の隣には、自分じゃなくて、奈津美みたいな女の方が似合うんじゃないか。そこまで考えてしまう。
「ナツー! 会いたかったー!」
旬は奈津美の前に立つとすぐに奈津美を抱き締める。
「やだ……もうっ! 旬、大袈裟よ。ちょっとだけじゃない」
「そうだけどー。あ、ナツ、大分顔色よくなってるな。よかった」
旬は優しい仕草で、奈津美の頬を撫でる。
旬がどれだけ奈津美のことを大事にしてるか、一目瞭然だった。
「なあ、そろそろ昼飯行こーぜ。俺、腹減った」
「うん」
「そうだな」
旬の提案に涼介と加奈は頷く。
「じゃ、行こ」
旬は、当たり前のように奈津美の手を引いて歩き始めた。
今日会ってからずっとそうだ。旬と奈津美は、歩く時は必ず手を繋ぐ。何の照れもなく、とても自然だ。
でも、涼介と加奈は、繋がない。
いくら旬とはいえ、友達の前だから、恥ずかしいと思うのだ。特に、涼介の方がだ。
だから、加奈は、旬と奈津美が羨ましかった。