僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
「春輝くん、
こんなところにいちゃ、ダメでしょ」
「ん?」
「もうすぐ、アミュレットのヒーローショーが
始まる時間だよ」
それなのに。
なんでここにいるの?
ファンに見つからないように
女装して。
私を建物の陰に連れてきたのは、
なんで?
「だって、みゅうみゅうのこと、
捕獲したくなっちゃったんだもん」
本番直前に……私を捕獲?
意味が……
わからないんですけど……
その時
春輝くんの瞳が、しゅんと蔭った。
「だって、ショーが終わったら、
みゅうみゅうは帰っちゃうでしょ?
僕に会わずに……」
う……
図星です……
悲しみに包まれたように
両肩を落とした春輝くんに、言えない。
大きなイチョウの木の下で。
ヒーローショーを見ないで帰ろうか、
悩んでいましたなんて……