僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 返す言葉が見当たらなくて、
 ごまかすように腕時計を見た。



 え?? 



「春輝くん、開演まであと1分しかないよ。
 早く戻らないと」



「大丈夫だよ」



「でも……」



「時間をもらったの。
 怪人役のマネージャーと
 さらわれ役の明梨んの即興芝居で、
 なんとか繋いでくれるって」



「あの二人
 本格的に演技習ってたから~」

 そう言いながら
 微笑んだ春輝くんの瞳が、
 なんだか寂しそうに光った。



 大好きな明梨んのことを思い出して、
 辛くなっちゃったのかな?



 まだ、春輝くんの心の中は、
 明梨んでいっぱいなのかな?
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