僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 私の瞳には、
 目が覚めるように鮮やかな
 レモン色のマントが映っている。



 春輝くんは
 私の手を離してくれたけれど

 私に背中を向けたまま
 振り向いてくれない。


 
 春輝くんの背中に
 拒絶されているようで、
 心が泥沼に沈みそうになる。



 何か…… 言わなきゃ……



「春輝くん……ご……ごめんね。
 私なんかが……
 人質役に選ばれちゃって」



 必死に作った
 私の陽気な声に反応して、
 春輝くんは振り返った。


 これでもかというほど目を見開いて、
 ただただ、固まっている。



「どうせなら
 もっとかわいい子を助けたかったよね?
 ごめんね」



 謝罪の言葉を吐き出す私。


 同時に後悔が、
 濁流のように
 私の心に流れ込んできた。
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