僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 春輝くんの手のひらが、
 私の髪をなぞるように
 優しくナデナデを始めた。



 恥ずかしすぎて
 力が入っちゃう。

 つま先から頭の先まで
 ガチンガチンに固まっちゃう。



 そんな私の緊張を解きほぐすように。

 春風のような優しい春輝くん声が
 耳に届いた。



「みゅうみゅうの髪
 ふんわりでサラサラだよね。
 本当に、ウサギさんみたい」


「そ……そんな。
 私なんて
 ウサギみたいにかわいくないよ」


「気づいてないの?
 みゅうみゅうは
 ヘビに丸呑みされないか心配になるくらい
 とってもかわいいのに」



 ヘビ? 丸呑み?



「ヘビがニョロニョロ来たら、
 みゅうみゅうは
 全力で逃げるんだよぉ」



「どこに……
 逃げれば……いいの?」


「う~ん。
 ものすっごく大きい
 モンブランケーキの中とかかな?」



 なぜ? モンブラン?
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