僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目
 
 カッパくらい
 着て来ればよかったな……



 100段の石段を登り切った時には
 横殴りの雨は
 容赦なく私の服をびしょびしょに。



 冷たい風が吹くたびに
 体の熱を奪っていく。



 私は寒さで震えた体をさすりながら
 雨に濡れない拝殿まで走った。

 そして、傘を閉じた。




 春輝くんはいない。

 いつもなら、私より先に来ているのに。
 やっぱりいない。



 こんな雨じゃ
 来るわけないよね。



 ホッとした。

 明梨んを思う春輝くんの顔を見るのが
 正直苦しいから。



 でも……


 寂しいし……
 会いたいな……春輝くんに……
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