僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 怖かったぁ。


 全ての顔面パーツが完璧で。

 凛々しくて。彫が深くて。
 端正な顔立ちをしていたけれど。



 目が血走っていたし。
 眉間にシワがくっきりと入っていた。


 
 でも。
 悪い人ではないよね?



 こんな大雨の中
 100段もある石段を登って
 私に伝えに来てくれたんだから。



 そんなことを考えていた時
 黒ずくめの男性が戻って来た。



 私の前で止まり
 仁王立ちで私を見下ろしている。



 ひょえぇぇぇ!!

 な……何ですか??


 
 紫の光を帯びた目が 
 私の瞳の奥の奥まで
 突き刺さっているんですけど。


 私に恨みでも、ありますか?
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