Fate×Love~大切な愛と命~
「「・・・・」」

「だってさ、今まで両親に愛されて育ってきたんだから!!

私なんて、昔からどちらを跡継ぎにするか…いつだってそんな話ばっかだよ?!

だからか、いつも社長令嬢として相応しいように次期跡継ぎと認められるように。そんな教育ばっか。

それに愛なんて…なかった。

いつも一緒にいてくれたのは杏梨だけだった。

そんな幸せなみんなが、私の気持ちが分かったような口利かないでよ!!」

…言い過ぎた。

これは自分でも分かった。

ただの八つ当たり・ひがみ、だ。

私もこんなふうに育ちたかった…

3人はそんな理想の両親に育てられてきたから。

次の瞬間…

ポタッポタ――

教室の床が涙で濡れた。


< 16 / 59 >

この作品をシェア

pagetop