ボーダーライン。Neo【中】
それから二日後の朝。慎ちゃんと休みを同じくした日曜日の事だ。

 コタツテーブルに彼と向かい合い、朝食をとっていた。

「……サチさぁ」

「うん?」

 あたしは味噌汁を口にし、ツイと目を上げた。

 慎ちゃんは、昨夜の新年会でまだ眠い様子だ。虚ろな瞳で納豆をかき混ぜ、躊躇いもなく言った。

「前は高校教師やってたんだって?」

 瞬間。ビクッと体が震え、お椀の味噌汁が波だった。

 慎ちゃんは真顔になるあたしをジッと観察していた。

「どうして?」

 場を取り繕うように笑うのがやっとだった。

 本当は、どうして知ってるの、とそう訊きたかった。

 まさか、元生徒から届いたあの年賀状を見られたのだろうか?

「昨日の新年会で、西陵って所の高校教師にたまたま会って。そう聞いた」

 慎ちゃんは抑揚もなく言い放ち、再び納豆をかき混ぜた。

「……そう」

 年賀状を見られた訳ではないと知り、ひとまずは安堵する。

 新年会で初対面の人同士が会うという事は、偶然同じ店で飲み会をしていて何かのきっかけで意気投合した、とか……そういう事だろうか?

 あたしは考え、かつての同僚を思い出した。
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