世界一運の悪い女
そしてとうとう姉は完全にわたしの呪いを解く呪文を言う。

「あなたって、なんて運のいい子なの。ずっと思っていたけど我が妹ながら、あなたには本当にかなわないわ!」

その途端、わたしが自分にかけていた運の悪いヤツという呪縛から完全に抜け出したのである。
姉と比べられることでわたしは自分を運の悪い女だと思っていた。
姉はそのわたしを運のいい子だという。
それは本心からでた言葉。
姉妹は互いに、ないものねだりだったのだ。
姉は姉。
わたしはわたしでいいじゃない?
そう思うと世界が違ってみえたのだった。


彼は一流大学に進み、わたしは私立の大学だったけれどずっと付き合いは続く。
美貌の姉は、告白され付き合っては別れることを繰り返している。
姉が付き合ってきたのは、誰もが知る実業家だったり、俳優だったり、医者だったり。
とても普通の女子では手がとどかないどこで知り合うのか想像もつかない大物たちばかりだった。

「でも、本当の自分のことは見てもらえていないから別れるの。まるごと受け止められているさくらが本当にうらやましいわ。わたしほど男運の悪い女はいないかもしれない、、、」

姉の最近の口癖である。
どちらが運がいいのか悪いのか。
姉の男運の悪さを解く呪文はなんなのか。
それをじっくりと考えようと思う。

彼はわたしに特別にプレゼントしたいものがあると言っている。
こじゃれたレストランも予約をしてくれている。
わたしは彼に捕まえられて、世界一運のいい女となったのだった。











< 9 / 9 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:5

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

悪女がお姫さまになるとき
藤雪花/著

総文字数/35,570

ファンタジー37ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
自称悪女の藤崎樹里は、 目覚めた時は、剣と魔術が支配する異世界だった。 自分を召還したのはイケメン魔術師で、言葉を理解するために魔力交換のキスをしないといけないらしい。 秀麗な魔術師に王子さま、そして眠り続けるお姫さまもいて、わたしはお姫さまを目覚めさせることができる『光り輝く魂』の持ち主らしい。 だけど、悪女が主人公の漫画のような都合の良いことばかりではないようで……。 表紙は Lavörice arno euphälisiese nou ewintezsel. (訳 : 愛しいあの子の横顔) EuphälleButterfly さま いつもありがとうございます!!
神様の寵愛は楽ではない
藤雪花/著

総文字数/17,969

ファンタジー22ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【1000年前に傲慢さ故に美貌を封じられた美奈。転生するたびに試練を越えて、現代へ】 第1夜 むかあし、昔 1000年前の、美奈と神の、始まりの昔語りです。 第2夜 探しもの 二年の新学期、美奈は大学に採用面接試験に来た神坂晴海に出会います。彼は、理事長の探しているものをみつけることができれば、合格するらしい。彼は不思議な世界を美奈にみせるのでした。 *表紙はMano's Picrew!で作りました。  ありがとうございます!!!
世継ぎで舞姫の君に恋をする
藤雪花/著

総文字数/159,970

ファンタジー57ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
捕虜から王子の奴隷へ 奴隷は 「特別な」 王子の側仕えとなる だけどその実、特別な関係は皆無 王子と側仕えは幼馴染 側仕えは、男装の舞姫 自分の好きな子と同一人物だと 王子は気がついていないから

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop