ビッチは夜を蹴り飛ばす。
 

「………っ」

 服を見えるようにたくし上げてもう濡れた胸の先の周りを撫でてみて、下もよくわかんないけど触ってみる。さっき中途半端に触られてからまだ身体は熱を持っていて自分の手でも軽く感じた。ぴく、と跳ねた時向かいの目は冷たい目でじっと見てて、恥ずかしくて目を伏せる。


「…もっとこっちきて」


 一度寄ってもっと、って言うからもう目の前でそれをしたら、恐ろしいくらい冷たい目に見下ろされた。このままこの人に殺される、絞め殺されるんじゃないかって目を合わせてたらく、と指先がだらしなく開いた口の中に軽く入る。


「…っ、ん、ぅ」

「鳴はここがいいんだよ」


 ちゃんと覚えてな、って言われて上顎の裏をなぞられて、目もあってるからそのままびく、と跳ねてしまった。…待って。見られてるだけで口でいった、いま、あたし。

 そのまま伏せた視線がたくし上げた服の下を見てるからいや、って硯くんの両眼を塞いで、そしたら手探りで身体に触れてくる。手のひらが確かめるみたいに上体を這って、長くてぬるい白い指がわからなくて見えないから、膨らみに辿り着いたらまた何度も胸の先を親指の腹が擦ってびくっ、て跳ねて塞いだ指の隙間から硯くんの鳶色が光る。

 ふ、ぁ、ってもう上せた顔でこくん、て息を飲み込んだら上り詰めた手が首に這う。


「鳴は感度良すぎ」
「………も、むり、」

 ごうかく? って潤んだ瞳で乞うのにんー…と至極色のない瞳が見下げてから軽く吐息だけで微笑う。


「及第点」





 歯に指を引っ掛けられてそのまま硯くんが上に来て、ちょっと待って、って軽く伏し目がちに揺れるから多分自分で扱いてるんだと思ったら気が飛びそうで顔を逸らしたらくぷんと中に挿入ってきた。

 そのままゆっくり押し入ってきて、顎を引いて吐息を漏らせば首の付け根にキスが降る。


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