裏切り姫と恋の病




体を隠せて着る物が、黒のタンクトップしかないんだもん。


高校の制服はあるけど……


あれは絶対に駄目。
あの制服は、まともな人間として着れる、唯一の服なの。


あの男も人間だ。少しくらい世間体は気にしてるのか、学校だけは行かせてくれてる。


だけど最近はあまりにも暴力がひどいため
見えるところにも(あざ)が出来てしまって、うまく隠せないから、学校には行ってない。



私にだって学校には親友と呼べる存在が一人はいるけど……。


連絡する手段もなければ、今はそんな余裕ないし。



「……どうしていいか」


「あ?」


「私だって……っ、自分でもどうしていいのか分からないんだもん!!」



ポロポロと涙が溢れては落ちていき、公園の砂を濡らす。



この男からしたら、いきなり大声を出す私なんか普通じゃない、気味の悪い生き物でしかないんだろう。


だけど、なにを思われようが、そんなことはどうでもよかった。



私だけ、なんで私だけ。


こんな目に合わなきゃいけないのか。




お母さんさえ死ななければ、こんな目に合わなかったのに。


あの男と再婚さえしなければって。


口なしの死人を恨む私は、性格が悪いのかな。


悪いから、こんな目に合うのかな。


ほんと、色々と訳分かんないし。



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