裏切り姫と恋の病






そう言い返すと、葛西さんからの返事はない。


ちょっと冷たく言いすぎた……?と、心配になってソファから起き上がり、葛西さんの顔を覗くけど。


彼は目を閉じて、眠っていた。



その無防備(むぼうび)な姿に、ひどく安心する。



"敵じゃないし、敵じゃないよ"って言われてるみたいで。



ソファから立ち上がり、眠っている葛西さんに影を落とし見下ろすと。



「ありがとう……春ちゃん」と、一つの灯火(ともしび)の様な小さな声でそう呟く。



すると。



「ーーッ!?」


急に伸びてきた手が、がっちりと私を掴む。




「いけねぇなァ?そんな可愛いとこ、男と二人っきりの時に見せちゃ」


「……っ!?なんで起きてるの??」


「狸寝入りって知ってっか?
 希乃香ちゃん疲れてるだろうから、空気読んで眠らせるために眠ったのによ~。
 そんな可愛いとこ見せられたら、興奮して眠れねーじゃーん」


「忘れて!!ていうか寝てよ!おやすみ!!」





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