暗闇の先に…
酒井さんの彼氏の住所は駅からすぐの所だった
「酒井さん、ここのアパートですよ。じゃぁ…帰りは別々って事でいいですか?」
「うん、帰りは大丈夫!ありがとう…彩の地元だから、彩こそ友達と会って楽しんでおいでね」
「………はい、連絡してみます。じゃあ、楽しんで来て下さいね!」
アパートの前で別れて、酒井さんが部屋に入るのを確認して その場を離れた
周りを見渡すと、懐かしくて思わず繁華街の方へ足を向けた
繁華街の端にある公園…
ちょうど去年の今頃、この公園で陸斗に助けてもらった
石のベンチに座る
「冷たッ」
あの時も、そうだった…もしかしたら、偶然に会える気がして………周りを見渡す
そんな偶然あるわけないのに…
陸斗の面影を追ってため息が漏れる