暗闇の先に…

会った所で、どんな顔すればいいのかもわからないのに…



矛盾した気持ちを振り払うかのように空を見上げた


するとハラリと白い結晶が降ってきた


舞い落ちる雪はとても綺麗


しんしんと降り出した雪は、少しずつ公園や街を白く 白く染め上げていく



グチャグチャの私の心も、汚れたこの体も、この雪みたいに全部 真っ白になれたらいいのに…





「はぁ…」吐き出す息は白く、やがて空へ向かって消えていった


思い出に浸りながら、帰る為 駅に向かう


繁華街の真ん中にある高級マンションが見えて来た



いつの間にか歩くのを止め、そのマンションを見上げていた



マンションを見るだけで、胸がズキンと痛む



半年以上も離れていたと言うのに…昨日の事の様に思い出す



「はは……未練タラタラじゃん。かっこ悪…」



感情が高ぶり、涙で視界が歪む




涙が溢れないようにギュッと唇を噛み締めて、足早に駅へと向かった


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