暗闇の先に…


陸斗は、あやすように私の頭を撫でる


「今まで辛かったな。でも、もぅ大丈夫だ」


ーー大丈夫……


その言葉を聞いた瞬間、ボロボロと涙が溢れてきた


「ーーーーっうぅ…ヒック…」



暫く、陸斗の腕の中で泣いていた


「落ち着いたか?彩夢、ちょっと話せるか?」


陸斗から身体を離し顔を上げる


「………うん」


私の手を握り、真剣な顔つきで真っ直ぐ見つめられる


「彩夢が気を失った後、親父を拘束した。彩夢には悪いが…警察に通報させてもらった。多分、事情聴取の為に明日 警察が来るけど、今までの事…話せるか?」


「………捕まったの?」


「あぁ…まぁ本人は黙秘してるみたいだがな」


大きく息を吸って……意を決して陸斗を見る


「き、聞いて…ほしい事が、あるの……もし、この事を知ったとして…私と……一緒に居られないっと思ったら、そう言ってくれて構わない……その時は、マンションから出て行くから………」


声が震えて うまく話せない

それでも、助けてくれた陸斗には知る権利があると思うから……これで嫌われても仕方がない


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