子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~

凛香side~

彼は真実を知った以上、一分一秒たりとも、私達と他人ではいられず、その足で婚姻届を取りに行った。

「俺の名前は書いた、次は凛香君が名前を書く番だ」

彼が私に婚姻届を向ける。

私は彼の見守る中、サインして捺印した。

「何かいてるの?しゃちょう」

「俺とママは結婚する。
今日から俺が玲也君のパパだ。
だから、俺のコトは社長ではなくパパと呼んでくれ」

「パパ??
僕にもパパができるんだね・・・」

「そうだ・・・じゃ一回、パパと呼んでくれ、玲也君」

「パパ、パパ、パパ、パパ!!」

玲也は何度も柊也さんのコトをパパと呼んだ。
他の子には皆パパが居たけど、どうして自分には居ないのか、最近疑問に思い始めていた。
そんな疑問も柊也さんの登場で全てが解決した。

「ゴメンな・・・玲也・・・」

柊也さんは大喜びでパパ、パパと叫ぶ玲也に自責の念を抱いたのか、涙を流した。

「どうして泣くの?パパ」

「だって…俺は・・・」

「柊也さん・・・過去は過去ですよ。こうして、私達結婚するんです。
泣かないで下さい」

私と玲也で、柊也さんを慰めた。

「君たち二人はこんな愚かなパパを許してくれるんだな」

「はい、家族ですから・・・」

「パパ・・・泣かないで」

玲也は柊也さんの頭をなでなでした。

「どっちかパパが分かったもんじゃないな・・・」

柊也さんは苦笑し、涙を指の腹で拭う。

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