子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
俺は何て愚かなオトコだろう。
一番大切な記憶を失い、今も全く思い出せていない。
俺の夢に出て来た凛香に似た女性は凛香自身。
「凛香、凛香、何処だ?凛香」
俺は部屋に入るなり、凛香の名前を何度も呼び、彼女の姿を探した。
「どうしたんですか?」
凛香は玩具部屋から、ひょっこりと顔を出し、俺を不思議そうに見つめた。
「凛香・・・」
俺は慌てて駆け寄り、凛香を抱き締める。
「変ですよ…柊也さん」
「黒沼から訊いた・・・
君が天空島で出逢った俺の瓜二つの男のコトを。
彼の名前は南条玲斗。
俺は他のホテルで修行していた時に使用していた名前だ。何で!?最初に教えてくれなかったんだ…教えてくれたら、俺は直ぐに気づいたのに」
「それは黒沼さんに・・・貴方は優しい性格だから、事実を知ればココロを痛めると思い、自分が話すまで…話さないでくれと口止めされていたんです」
「そっか…黒沼のヤツ…」
柊也さんは抱擁の手を緩め、私と顔を突き合わせた。
「話は訊いたが…俺自身は天空島で君と出逢ったコトも過ごした記憶もない・・・」
「・・・貴方は成功率の低い手術を受け、無事に生還していたんですね。
私はずっと…玲斗さんはもうこの世には居ないと思っていたので、とっても嬉しいです」
「凛香・・・」
凛香の二つの瞳は涙で潤み、堰き止められず両頬に二本の線を作った。
「俺は君のコトを忘れたのに・・・君は俺を責める処か、俺の為に涙を流してくれるんだな」
俺の瞼の裏も熱くなる。
「一人で玲也を産ませ、育てさせてゴメン・・・」
「・・・私はこの五年間、幸せでした。
玲也を産んだコトに後悔はしていません」
「凛・・・香」
「玲也を産んでくれてありがとう・・・凛香。
今直ぐに結婚しよう・・・凛香」
一番大切な記憶を失い、今も全く思い出せていない。
俺の夢に出て来た凛香に似た女性は凛香自身。
「凛香、凛香、何処だ?凛香」
俺は部屋に入るなり、凛香の名前を何度も呼び、彼女の姿を探した。
「どうしたんですか?」
凛香は玩具部屋から、ひょっこりと顔を出し、俺を不思議そうに見つめた。
「凛香・・・」
俺は慌てて駆け寄り、凛香を抱き締める。
「変ですよ…柊也さん」
「黒沼から訊いた・・・
君が天空島で出逢った俺の瓜二つの男のコトを。
彼の名前は南条玲斗。
俺は他のホテルで修行していた時に使用していた名前だ。何で!?最初に教えてくれなかったんだ…教えてくれたら、俺は直ぐに気づいたのに」
「それは黒沼さんに・・・貴方は優しい性格だから、事実を知ればココロを痛めると思い、自分が話すまで…話さないでくれと口止めされていたんです」
「そっか…黒沼のヤツ…」
柊也さんは抱擁の手を緩め、私と顔を突き合わせた。
「話は訊いたが…俺自身は天空島で君と出逢ったコトも過ごした記憶もない・・・」
「・・・貴方は成功率の低い手術を受け、無事に生還していたんですね。
私はずっと…玲斗さんはもうこの世には居ないと思っていたので、とっても嬉しいです」
「凛香・・・」
凛香の二つの瞳は涙で潤み、堰き止められず両頬に二本の線を作った。
「俺は君のコトを忘れたのに・・・君は俺を責める処か、俺の為に涙を流してくれるんだな」
俺の瞼の裏も熱くなる。
「一人で玲也を産ませ、育てさせてゴメン・・・」
「・・・私はこの五年間、幸せでした。
玲也を産んだコトに後悔はしていません」
「凛・・・香」
「玲也を産んでくれてありがとう・・・凛香。
今直ぐに結婚しよう・・・凛香」