子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
子連れ挙式
船酔いする柊也さんは沖縄本島からヘリをチャーターし、天空島に向かった。

梅雨明けした沖縄。
空も海も青く澄んでいて、白い綿菓子のような雲がたなびいていた。

「ママ…見て見て・・・凄いよ」

「凄いわね・・・」
玲也は初めて乗るヘリに大喜びで、ずっと窓の外を眺めていた。

「ゴメン・・・まさか凛香が高所恐怖症だとは知らなくて・・・」
私は柊也さんの手をギュッと握りしめて耐えていた。
「大丈夫です・・・」
心配させまいと顔に笑顔を貼り付けて返した。
「大丈夫には見えないぞ・・・凛香」


でも、私の笑みが不自然過ぎて、柊也さんの心配が一層濃くなっていた。
「後四十分の辛抱です。凛香さん」

ヘリを操縦する黒沼さんも私に声を掛けてくれた。

「ともかく、一分でも急げっ。黒沼」

「そう言われましても・・・久しぶりのヘリの操縦で・・・墜落すれば、四人揃って、海の藻屑ですよ。社長」

墜落って・・・
私は軽い眩暈を起こし、柊也さんの方によろける。

「大丈夫か?凛香。俺は船酔い、凛香は高所恐怖症・・・天空島にはそう易々と行けないな」





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