子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
「夕飯は食べたの?阿川さん」

「はい・・・」

「そっか・・・じゃ…これは明日食べるといい・・・」

「えっ?」

彼は私にもう一つの紙袋を渡した。
紙袋の中身は当ホテルの二階にある寿司処『源五郎』のお寿司だった。

「社長は夕食召し上がったんですか?」

「ん、あ・・・俺は適当にコンビニのおにぎりを食べながら車飛ばして来たから・・・今は空いてない」

昨日と同じ場所に腰を下ろした。

「見て見て、ママ・・・この車」

「良かったわね…本当にいいんですか?」

「捨てるつもりだったから・・・遠慮はしないで・・・」

玲也は満面の笑みを浮かべ、ラジコンカーを眺めていた。

「夜は音を立てたら、ダメよ。玲也」

私は玲也を小声で窘める。

「どうして?」

「お隣さんが音にうるさい人で…この間、怒鳴り込まれちゃって・・・」

「ふうん・・・そっか・・・じゃ、玲也君、ママが困るし、静かにしよう」

筒見社長の声も小さくなった。

「うん」

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